楸の花
人達は手探りの中ですら
幽かな希望を抱き乍ら
書き掛けの文字にそっと隠して
此の狂おしく歯痒い念い
其の念い顔見ず呟く時
優しき事は何かと思う
情け添えも亡くす人は哭いて
誰も擦れ違いに逝く今日
省みぬ過ちを並べても
誰も彼も胸に響かず過ぎ
此の世は其れでもこんな人達
許すと言うのだろうか
終末だと誰かが呟く声
ビル風に心添え攫われ
明日も木枯らしが吹き荒れると
心閉ざしぽつりと言う
人の中で生きる人達
何時の間にか其れをも忘れ
生きる事等出来るでしょうか
生きる事が出来るのでしょう
人達は手探りの中でこそ
仄かな情け懸合いて生く
本歌
さだまさし
「柊の花」